新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症になりました 〜変更後、労災補償は?〜
2023年07月31日 [情報]
感染症法※では、感染症について、感染力や感染した場合の重篤性などを総合的に勘案し1〜5類等に分類し、感染拡大を防止するために行政が講ずることができる対策を定めています。そして、その中で、新型コロナウイルス感染症の位置づけは、これまで、「新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)」としていましたが、令和5年5月8日から「5類感染症」になりました。
つまり、令和5年5月8日から、法律に基づき行政が様々な要請・関与をする仕組みから、個人の選択を尊重し、国民の自主的な取組をベースとする対応に変わったということです。
しかしながら世の中からコロナウイルスがなくなった訳ではなく、コロナウイルス感染症に感染するリスクは依然としてありますし、感染については、拡大と収束を繰り返している状況です。したがって、引続き、コロナウイルス感染症に罹患した場合で一定の要件を満たした場合に受けられる「労災補償や傷病手当金などの公的給付」については、適正に受給できるようにしておきたいものです。
そこで、今回は、コロナウイルス感染症に罹患した場合に受けられる「労災補償」について、「5類感染症」へ変更後の取扱について、いまいちど確認しておきましょう。
※感染症法の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
1. 5類感染症に位置付けられた後も、労働者が業務に起因して新型コロナに感染したものであると認められる場合には、労災保険給付の対象となります。
また、新型コロナウイルス感染症による症状が持続し(罹患後症状(※)があり)、療養や休業が必要と認められる場合にも、労災保険給付の対象となります。
これは、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症に変更される前の取扱いから変更はありません。
2. 医師、看護師などの医療従事者や介護従事者が、新型コロナウイルスに感染した場合には、業務外で感染したことが明らかである場合を除き、原則として労災保険給付の対象となります。
これも、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症に変更される前の取扱から変更はありません。
3.医療従事者や介護従事者以外の労働者が、新型コロナウイルスに感染した場合には、他の疾病と同様、個別の事案ごとに業務の実情を調査の上、業務との関連性(業務起因性)が認められる場合には、労災保険給付の対象となります。
感染経路が判明し、感染が業務によるものである場合については、労災保険給付の対象となります。
感染経路が判明しない場合であっても、労働基準監督署において、個別の事案ごとに調査し、労災保険給付の対象となるか否かを判断することとなります。
これも、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症に変更される前の取扱から変更はありません。
4.感染経路が判明しない場合でも、感染リスクが高いと考えられる次のような業務に従事していた場合は、潜伏期間内の業務従事状況や一般生活状況を調査し、個別に業務との関連性(業務起因性)が判断されます。
例1 複数の感染者が確認された労働環境下での業務
例2 顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務※
※ 「顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務」とは、
小売業の販売業務、バス・タクシー等の運送業務、育児サービス業務等が想定されます。
5.労働者が新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を受けたことで健康被害が生じた場合でも、労災保険給付の対象となりません。
通常、労働者の自由意思に基づき、ワクチン接種を行うものであり、業務として行われるものと認められず、受けることで健康被害が生じたとしても、労災保険給付の対象とはなりません。
ただし、医療従事者等にかかるワクチン接種については、労働者の自由意思に基づくものではあるものの、医療機関等の事業主の事業目的の達成に資するものであり、労災保険における取扱としては、労働者の業務遂行のために必要な行為として、業務行為に該当するものと認められることから、労災保険給付の対象となります。高齢者施設等の従事者にかかるワクチン接種についても、同様の取扱になります。
6.令和5年5月8日以降は、休業補償給付の請求には、「医師(診療担当者)からの証明」が原則として必要です。
令和5年5月7日以前に、PCR検査や抗原検査で陽性が確認された場合で、医療機関を受診せず自宅療養を行った場合の当該療養期間についての休業補償給付支給申請書については、そのPCR検査や抗原検査の陽性結果を確認できる書類を添付することで請求が可能でしたが、令和5年5月8日以降に陽性が確認された場合には、他の傷病による休業補償給付の請求と同様に、原則として、医師(診療担当者)からの証明が必要となりましたので、ご注意ください。
☆ 詳細については、厚生労働省HP内、新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)で確認できますので、ご確認ください。
つまり、令和5年5月8日から、法律に基づき行政が様々な要請・関与をする仕組みから、個人の選択を尊重し、国民の自主的な取組をベースとする対応に変わったということです。
しかしながら世の中からコロナウイルスがなくなった訳ではなく、コロナウイルス感染症に感染するリスクは依然としてありますし、感染については、拡大と収束を繰り返している状況です。したがって、引続き、コロナウイルス感染症に罹患した場合で一定の要件を満たした場合に受けられる「労災補償や傷病手当金などの公的給付」については、適正に受給できるようにしておきたいものです。
そこで、今回は、コロナウイルス感染症に罹患した場合に受けられる「労災補償」について、「5類感染症」へ変更後の取扱について、いまいちど確認しておきましょう。
※感染症法の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
1. 5類感染症に位置付けられた後も、労働者が業務に起因して新型コロナに感染したものであると認められる場合には、労災保険給付の対象となります。
また、新型コロナウイルス感染症による症状が持続し(罹患後症状(※)があり)、療養や休業が必要と認められる場合にも、労災保険給付の対象となります。
これは、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症に変更される前の取扱いから変更はありません。
2. 医師、看護師などの医療従事者や介護従事者が、新型コロナウイルスに感染した場合には、業務外で感染したことが明らかである場合を除き、原則として労災保険給付の対象となります。
これも、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症に変更される前の取扱から変更はありません。
3.医療従事者や介護従事者以外の労働者が、新型コロナウイルスに感染した場合には、他の疾病と同様、個別の事案ごとに業務の実情を調査の上、業務との関連性(業務起因性)が認められる場合には、労災保険給付の対象となります。
感染経路が判明し、感染が業務によるものである場合については、労災保険給付の対象となります。
感染経路が判明しない場合であっても、労働基準監督署において、個別の事案ごとに調査し、労災保険給付の対象となるか否かを判断することとなります。
これも、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症に変更される前の取扱から変更はありません。
4.感染経路が判明しない場合でも、感染リスクが高いと考えられる次のような業務に従事していた場合は、潜伏期間内の業務従事状況や一般生活状況を調査し、個別に業務との関連性(業務起因性)が判断されます。
例1 複数の感染者が確認された労働環境下での業務
例2 顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務※
※ 「顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務」とは、
小売業の販売業務、バス・タクシー等の運送業務、育児サービス業務等が想定されます。
5.労働者が新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を受けたことで健康被害が生じた場合でも、労災保険給付の対象となりません。
通常、労働者の自由意思に基づき、ワクチン接種を行うものであり、業務として行われるものと認められず、受けることで健康被害が生じたとしても、労災保険給付の対象とはなりません。
ただし、医療従事者等にかかるワクチン接種については、労働者の自由意思に基づくものではあるものの、医療機関等の事業主の事業目的の達成に資するものであり、労災保険における取扱としては、労働者の業務遂行のために必要な行為として、業務行為に該当するものと認められることから、労災保険給付の対象となります。高齢者施設等の従事者にかかるワクチン接種についても、同様の取扱になります。
6.令和5年5月8日以降は、休業補償給付の請求には、「医師(診療担当者)からの証明」が原則として必要です。
令和5年5月7日以前に、PCR検査や抗原検査で陽性が確認された場合で、医療機関を受診せず自宅療養を行った場合の当該療養期間についての休業補償給付支給申請書については、そのPCR検査や抗原検査の陽性結果を確認できる書類を添付することで請求が可能でしたが、令和5年5月8日以降に陽性が確認された場合には、他の傷病による休業補償給付の請求と同様に、原則として、医師(診療担当者)からの証明が必要となりましたので、ご注意ください。
☆ 詳細については、厚生労働省HP内、新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)で確認できますので、ご確認ください。