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「昼休みに電話対応した。その分残業代を付けてほしい」 部下の申し出、どうすべき?
概要:部下から「昼休憩時にデスクで食事をしていたところ、電話が来たので対応した。その分休憩時間が減ったので、残業代を付けてほしい」と申告がありました。このような申し出は初めてだったため、どのように対応すべきか戸惑っています。正しい対応を教えてください。

A 部下の申出は、「電話に出て対応したが、それは業務に該当するため、業務いわゆる労働の対価を支払って欲しい」ということであり、理にかなっていると言えます。

 そもそも「休憩時間」とは、労働者が権利として労働から完全に離れることを保障されている時間をいうものであり、本件相談のケースのような電話に出る等の業務も含め全ての労働から離れて、自由に利用できるものと考えられています。
 したがって、休憩を中断し、電話対応という業務を行った場合には、その時間相当分の賃金は当然に発生するものと考えられます。
 さらに、懸念事項としては、会社が「昼休憩中は、現実に作業(仕事)はしていないものの電話が来たらいつでも出られるようにしておくよう」いわゆる『手待ち時間』を社員に求めていて習慣化している場合です。

 この場合には、「昼休憩時間」について、労働から完全に離れ就労しないことが使用者から保障されていないため、たとえ実際には電話がかかってこず対応等を行っていないとしても、「休憩時間」ではなく「労働時間」と解されてしまう可能性が高いです。
 そしてそうなると、労働の対価としての賃金支払義務に加え、「労働時間が6時間を超える場合には少なくとも45分、8時間を超える場合には少なくとも1時間の休憩を付与しなければならない」という休憩付与にかかる法の定め自体にも抵触することになりかねません。(もっとも、休憩時間を与えなくともよい場合の例外も法律では定められておりますが、本件相談のケースではその業種、要件等には該当しないものとして回答させていただいております。)

 今後の会社の対応としては、「休憩時間」の定義を正しく理解し、単に作業や業務に従事しない手待ち時間は休憩時間として含めず、休憩時間中は労働から完全に離れるようにすることを徹底し、もし、いつの時間帯も社員の誰かが電話に出ることが業務上必要であるならば、社員が交替で休憩を取る仕組みを導入することを検討されると良いでしょう。
なお、法律では、「一斉休憩の原則」というものがあり、原則として、休憩の効果を上げるために「休憩は一斉に与えなければならない」と定められています。
 しかしながら、公衆を直接相手とするような、運輸交通業、商業、金融・広告業、映画・演劇業、通信業、保健衛生業、接客娯楽業、官公署の事業については、一斉休憩等を実施すると公衆に不便をもたらす等の不都合な場合が生じるとして、一斉休憩の原則の適用を除外しています。
 また、それ以外の業種でも、労使協定の締結を条件に適用除外もできますから、ご自身の会社の業種、業態によって労使協定を締結せずし て交替休憩を実施できるのか、労使協定を締結して交替休憩を実施するのか、まずは確認されると良いでしょう。
 なお、「一斉休憩の原則」の適用が除外される業種でも、18歳未満の年少者には適用されないため、当該業種の会社の場合で18歳未満の年少者についても一斉休憩の適用を除外されたい場合には、労使協定を締結して、交替休憩を実施されるようにしてください。















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