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2021年03月27日 [情報]
フレックスタイム制が、今、あらためて注目されている?
近年、国が押し進めてきた「働き方改革」に伴い、企業は、年次有給休暇の年5日の時季指定をはじめ、さまざまな取り組みを行っていると思われます。
なかでも、時間外労働の上限規制が定められたため、企業は、これまで以上に時間外労働・休日労働を必要最小限に留める工夫が求められ、変形労働時間制やフレックスタイム制などの柔軟な働き方の導入があらためて注目されています。
さらに、昨年からの新型コロナ感染症拡大の影響も受け、テレワーク導入を考える企業からもフレックスタイム制を検討する声が聴かれるようになりました。
そこで、今回は、フレックスタイム制について、基本的な内容を解説いたします。
1.フレックスタイム制とは
フレックスタイム制は、一定の期間についてあらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、労働者が日々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決めることのできる制度です。
(1)フレックスタイム制のメリットは?
☆労働者にとっては、日々の都合に合わせて、時間という資源をプライベートと仕事に自由に配分することができるため、仕事と生活の調和を図りやすく効率的に働くことが可能です。
☆テレワーク勤務においては、いわゆる「中抜け時間」について、労働者自らの判断により、その時間分その日の終業時刻を遅くしたり、清算期間の範囲内で他の労働日において労働時間を調整したりすることが可能です。
☆企業にとっては、仕事と生活の調和を図りやすい職場となることによって、労働者に長く職場に定着してもらえるようになります。
(2)導入の要件は?
☆就業規則等に、始業・終業時刻を労働者の決定に委ねることを定めること。
☆労使協定で制度の基本的枠組みを定めること。
●労使協定で定める事項は以下のとおりです。
@対象となる労働者の範囲
A清算期間
B清算期間における総労働時間(清算期間における所定労働時間)
C標準となる1日の労働時間
Dコアタイム(任意)
Eフレキシブルタイム(任意)
2.導入するときの留意事項
フレックスタイム制を導入した場合には、1日8時間、1週40時間という法定労働時間を超えて労働しても直ちに時間外労働となるわけではなく、また、1日の標準の労働時間に達しない時間も、直ちに欠勤となるわけではありません。
(1)時間外労働の取り扱いは?
@清算期間における法定労働時間の総枠を超えた時間数が時間外労働となります。
清算期間における 1週間の法定労働時間 × 清算期間の暦日数
法定労働時間の総枠 = (40時間 ※) 7日
A清算期間における総労働時間と実労働時間との過不足に応じた賃金の支払いが必要となります。
※常時10人未満の労働者を使用する商業、映画、演劇業(映画の製作の事業を除く)、保健衛生業、接客娯楽業の特例措置対象事業場については、週の法定労働時間が44時間となるため、上記@の式においては、1週間の法定労働時間を44時間として計算します。
(2)労働時間の管理は?
フレックスタイム制は始業・終業時刻の決定を労働者に委ねる制度ですが、使用者が労働時間の管理をしなくてもよいわけではなく、各労働者の労働時間の把握を適切に行わなければなりません。
3.清算期間が1か月を超えるフレックスタイム制
今般の法改正(2019年4月施行)で、フレックスタイム制の清算期間の上限が「3か月」に延長され、月をまたいだ労働時間の調整により、いっそう柔軟な働き方が可能となりました。
(1)清算期間が1か月を超えるフレックスタイム制導入の留意事項は?
☆1か月ごとの労働時間が、週平均50時間を超えないようにしなければなりません。
清算期間における総労働時間が法定労働時間の総枠を超えた時間、1か月ごとの労働時間が週平均50時間を超えた時間が、時間外労働となります。
☆清算期間が1か月を超えるフレックスタイム制の労使協定は、労働基準監督署長への届出が必要となります。
なお、清算期間が1か月以内の場合には、労使協定の届出は不要です。
(2)清算期間が1か月を超えるフレックスタイム制における時間外労働の計算手順は?
@各月ごとに、週平均50時間を超えた時間を時間外労働としてカウントします。
A清算期間終了後に、法定労働時間の総枠を超えて労働した時間を時間外労働としてカウントします。
ただし、@で時間外労働としてカウントした時間は除きます。
具体的な計算式は以下のとおりとなります。
清算期間を通じて、 各月において、 清算期間におけ
法定労働時間の総枠を =清算期間を通じた − 週平均50時間超過分として − る法定労働時間
超えた時間外労働 実労働時間 清算した時間外労働の合計 の総枠
※ フレックスタイム制を導入する場合でも、今般の「働き方改革関連法」による時間外労働の上限規制は適用されますから、注意が必要です。
※ フレックスタイム制の下で、休日労働(1週間に1日の法定休日に労働すること)を行った場合には、休日労働の時間は、清算期間における総労働時間や時間外労働とは別個のものとして取り扱われます。
◆実際にフレックスタイム制を導入される際は、「法定労働時間の総枠の範囲内で、日々の始業、終業時刻を労働者の決定に委ねる」という制度の趣旨に沿って、各月の業務の繁閑差をあらかじめ見込んだ上で、清算期間や対象者を協定するようにしましょう。
なかでも、時間外労働の上限規制が定められたため、企業は、これまで以上に時間外労働・休日労働を必要最小限に留める工夫が求められ、変形労働時間制やフレックスタイム制などの柔軟な働き方の導入があらためて注目されています。
さらに、昨年からの新型コロナ感染症拡大の影響も受け、テレワーク導入を考える企業からもフレックスタイム制を検討する声が聴かれるようになりました。
そこで、今回は、フレックスタイム制について、基本的な内容を解説いたします。
1.フレックスタイム制とは
フレックスタイム制は、一定の期間についてあらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、労働者が日々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決めることのできる制度です。
(1)フレックスタイム制のメリットは?
☆労働者にとっては、日々の都合に合わせて、時間という資源をプライベートと仕事に自由に配分することができるため、仕事と生活の調和を図りやすく効率的に働くことが可能です。
☆テレワーク勤務においては、いわゆる「中抜け時間」について、労働者自らの判断により、その時間分その日の終業時刻を遅くしたり、清算期間の範囲内で他の労働日において労働時間を調整したりすることが可能です。
☆企業にとっては、仕事と生活の調和を図りやすい職場となることによって、労働者に長く職場に定着してもらえるようになります。
(2)導入の要件は?
☆就業規則等に、始業・終業時刻を労働者の決定に委ねることを定めること。
☆労使協定で制度の基本的枠組みを定めること。
●労使協定で定める事項は以下のとおりです。
@対象となる労働者の範囲
A清算期間
B清算期間における総労働時間(清算期間における所定労働時間)
C標準となる1日の労働時間
Dコアタイム(任意)
Eフレキシブルタイム(任意)
2.導入するときの留意事項
フレックスタイム制を導入した場合には、1日8時間、1週40時間という法定労働時間を超えて労働しても直ちに時間外労働となるわけではなく、また、1日の標準の労働時間に達しない時間も、直ちに欠勤となるわけではありません。
(1)時間外労働の取り扱いは?
@清算期間における法定労働時間の総枠を超えた時間数が時間外労働となります。
清算期間における 1週間の法定労働時間 × 清算期間の暦日数
法定労働時間の総枠 = (40時間 ※) 7日
A清算期間における総労働時間と実労働時間との過不足に応じた賃金の支払いが必要となります。
※常時10人未満の労働者を使用する商業、映画、演劇業(映画の製作の事業を除く)、保健衛生業、接客娯楽業の特例措置対象事業場については、週の法定労働時間が44時間となるため、上記@の式においては、1週間の法定労働時間を44時間として計算します。
(2)労働時間の管理は?
フレックスタイム制は始業・終業時刻の決定を労働者に委ねる制度ですが、使用者が労働時間の管理をしなくてもよいわけではなく、各労働者の労働時間の把握を適切に行わなければなりません。
3.清算期間が1か月を超えるフレックスタイム制
今般の法改正(2019年4月施行)で、フレックスタイム制の清算期間の上限が「3か月」に延長され、月をまたいだ労働時間の調整により、いっそう柔軟な働き方が可能となりました。
(1)清算期間が1か月を超えるフレックスタイム制導入の留意事項は?
☆1か月ごとの労働時間が、週平均50時間を超えないようにしなければなりません。
清算期間における総労働時間が法定労働時間の総枠を超えた時間、1か月ごとの労働時間が週平均50時間を超えた時間が、時間外労働となります。
☆清算期間が1か月を超えるフレックスタイム制の労使協定は、労働基準監督署長への届出が必要となります。
なお、清算期間が1か月以内の場合には、労使協定の届出は不要です。
(2)清算期間が1か月を超えるフレックスタイム制における時間外労働の計算手順は?
@各月ごとに、週平均50時間を超えた時間を時間外労働としてカウントします。
A清算期間終了後に、法定労働時間の総枠を超えて労働した時間を時間外労働としてカウントします。
ただし、@で時間外労働としてカウントした時間は除きます。
具体的な計算式は以下のとおりとなります。
清算期間を通じて、 各月において、 清算期間におけ
法定労働時間の総枠を =清算期間を通じた − 週平均50時間超過分として − る法定労働時間
超えた時間外労働 実労働時間 清算した時間外労働の合計 の総枠
※ フレックスタイム制を導入する場合でも、今般の「働き方改革関連法」による時間外労働の上限規制は適用されますから、注意が必要です。
※ フレックスタイム制の下で、休日労働(1週間に1日の法定休日に労働すること)を行った場合には、休日労働の時間は、清算期間における総労働時間や時間外労働とは別個のものとして取り扱われます。
◆実際にフレックスタイム制を導入される際は、「法定労働時間の総枠の範囲内で、日々の始業、終業時刻を労働者の決定に委ねる」という制度の趣旨に沿って、各月の業務の繁閑差をあらかじめ見込んだ上で、清算期間や対象者を協定するようにしましょう。